第2回 ダメ社員それなりにがんばる

私がソニーに入社したのは、男女雇用機会均等法が施行された後でした。 ソニーはそれまで大卒女子は海外事業要員として英語が堪能な人材しか採用しておらず、私はその部門では英語が話せない初の大卒女性社員でした。

あとで聞いた話によると、新人の配属先を決める会議でも私は余りものだったようで、どの部門も引き取ろうとなかったので、しかたなく経営企画の室長が手を挙げたそうです。すいません。

 

その室長は本当に良い方で、初日に「ここにある本は何でも読んでいいぞ」と、どうもやる気の感じられない新入社員をあせらずに育ててくれました。

英語の電話は切るし、遅刻常習犯だし、相当のダメ社員だったと思うのですが、ずらっと並んだ本から経営戦略やマーケティング関連の本を読み漁り、えーこの分野おもしろいじゃないか!

と、その本を上司の机に持っていって「この需要予測をやらせてください」「この市場調査をやってみたいんですが」と言ってみると、「いいよ、やってごらん」とあっさり許可。

 

需要予測の変数を何次にも増やして「それじゃ意味がないだろう」と怒られたり、市場調査を日米欧でやることにしてしまったために、わからない英語に四苦八苦したり、と試行錯誤でした。

一方で、市場調査の質問票に因子分析のキーをいれておいて、大学時代に大好きだった多変量解析を回してみて、新しいユーザークラスターを定義して新しい商品を開発、といった商品企画にも参画できるようになり、本当に楽しく過ごさせてもらいました。

 

その頃の室長は今はすでに退職されていますが、今でも学会などで活躍されており、定期的に情報交換をしたり、時には講演を依頼されたり、とご縁が続いているのは本当にありがたいことです。

 

ただ、入社当時から課題だった英語については、海外拠点とやりとりする機会もあったものの基本は逃げ回る毎日。

5年ほどは何とかそれでやり過ごしたのですが、さすがにこのままではまずいと覚悟をきめ、入社5年目になってやっと2年間懸命に勉強しました。

そのうえで、入社7年目マーケティングに本格的に携わりたいと、希望を出して経営企画からマーケティング部門に異動させてもらいました。

 

 

第2回 ダメ社員それなりにがんばる
MESSAGE
代表挨拶
幾つかの事業を立ち上げてきた当社代表のメッセージ。
過去の実績
新規ビジネス支援
弊社が取り組んできた各種ビジネス
会社概要
会社概要
会社概要、アクセスマップなど。
お問い合わせ
お問い合わせ
お仕事の依頼から、会社に関するご質問まで遠慮なくお問い合わせください。